【会見レポ】英国ロイヤル・オペラ(ROYAL OPERA HOUSE) 2024年日本公演 開幕記者会見が開催!

6月18日、英国ロイヤル・オペラ 2024 年日本公演開幕記者会見が開催された。

英国ロイヤル・オペラの来日は5 年ぶりとなる。音楽監督アントニオ・パッパーノ任期は今シーズンまでとなるため、今回の英国ロイヤル・オペラ来日公演はキャリアの集大成となる。

今回上演するのは 2017 年よりオペラ・ディレクターを務めるオリヴァー・ミアーズ演出の「リゴレット」と、ロイヤル・オペラが誇る人気プロダクション「トゥーランドット」の2演目。歌手陣は、「リゴレット」にハヴィエル・カマレナ、エティエンヌ・デュピュイ、ネイディーン・シエラ、「トゥーランドット」にブライアン・ジェイド、マサバネ・セシリア・ラングワナシャと世界的な歌劇場を席捲している歌手たちが揃った公演となる。

都内で開催された記者会見には、音楽監督・指揮者のアントニオ・パッパーノ、オペラ・ディレクターのオリヴァー・ミアーズほか、《リゴレット》マントヴァ公爵役のハヴィエル・カマレナ、《リゴレット》ジルダ役のネイディーン・シエラ、《トゥーランドット》リュー役のマサバネ・セシリア・ラングワナシャ、《トゥーランドット》カラフ役のブライアン・ジェイドの6名が登壇した。


左よりハヴィエル・カマレナ、ネイディーン・シエラ、アントニオ・パッパーノ、
マサバネ・セシリア・ラングワナシャ、ブライアン・ジェイド、オリヴァー・ミアーズ

オペラ・ディレクターのオリヴァー・ミアーズは、
「この素晴らしい来日ツアーは楽しい演目を揃えました。今の時代を代表する偉大な歌手たち、最高レベルのオーケストラと合唱団、そして美術。世界的レベルの非常に高い水準のプロダクション。そして何と言ってもオーケストラを率いるマエストロ パッパーノ氏と共にこのツアーに参加できますことを私は全てに感謝すると同時にNBSの皆様のご尽力に心より感謝を申し上げたいと思います。」と来日公演へ向けて自信をのぞかせた。


オペラ・ディレクターのオリヴァー・ミアーズ

続けて作品について「私演出のリゴレットを持ってくることができて非常に嬉しく思います。これは、日本では初演となります。火花散るような素晴らしい舞台とレベルが高い音楽を一つにした最高のオペラだと思います。トゥーランドットはコヴェントガーデンで最も古い演目の一つでありまして、セット・振付・衣裳の全てが長く愛されるだけの素晴らしいものとなっています。プッチーニの音楽と一体化しております。日本の聴衆の皆様に聞いていただけることは大変光栄なことです。今回のツアーは、特別な想いがあります。と言いますのは、22年に渡って音楽監督を務められたパッパーノ氏にとってこれが本当の最後のオペラ公演となります。」と付け加えた。

音楽監督・指揮者のアントニオ・パッパーノは、
「ROHにはレパートリーがたくさんありますが、素晴らしいレパートリーをお届けすることになりました。《リゴレット》はその構造的な内容、物語性、メロディ、原作はヴィクトル・ユゴーの戯曲ですが、シェイクスピアを彷彿とさせる戯曲としての完成度の高さ。すべてをもちあわせた完璧なオペラです。」とリゴレットの魅力を解説。


音楽監督・指揮者のアントニオ・パッパーノ

続けてトゥーランドットについては、「《トゥーランドット》はそれとは全く違う、オラトリオのような、いわゆる儀式的な舞踊が入ってくる特別なオペラです。プッチーニが作曲した時、ストラヴィンスキー、バルトーク、R.シュトラウス、シマノフスキにいたる作曲家のすべてを知っていました。彼らの音楽を自身の中で消化し、独自の世界観でアジアの舞台を作り上げたのでした」と語った。

《リゴレット》マントヴァ公爵のハヴィエル・カマレナは、
「今回、日本は初めてでございます。やっと日本に来れてとても嬉しいです。日本の最高の聴衆の前でリゴレットを歌うことができるのは大きな喜びです。私の声の高さだと悪役を歌うことは非常に少ないのですが、あまり歌う機会がない悪役を楽しんで演じたいと思います。特にオリヴァーさんの演出は素晴らしく、このキャラクターに対する解釈が私と一致するものがあり、そういう意味でもやりがいを感じています。公爵をロマンティックに描く方もいますが、オリヴァーさんの解釈、パッパーノ氏のリゴレットに対する考え方に賛同し、公爵役を演じられることは光栄です。過去に偉大なテノールが歌ってきた役、声のみならず役作りにおいて自分独自のアプローチをぜひ観ていただきたい。」と期待を込めた。


《リゴレット》マントヴァ公爵のハヴィエル・カマレナ

《リゴレット》ジルダ役のネイディーン・シエラは、
「マエストロとリゴレットを皆様へお届けできることを大変嬉しく思っています。マエストロと最初のオペラ共演はこの作品でした。ジルダ役は私にとってプロの道でやっていく上で本当に大きい意味を持つものとなりました。ジルダは私にとって最も大切な役の一つであり、希望と喜び、あらゆるものを与え、何よりも勇気を与えてくれた役ですので、今後も歌い続けたいと思っています。日本は実は一度だけ来たことがあります。数日間の滞在でしたが決して忘れることができない経験となりました。心より日本にまた来れたことを嬉しく思うと同時に、皆様に歌を聴いていただけることを楽しみにしております。」と結んだ。


《リゴレット》ジルダ役のネイディーン・シエラ

近年、世界の一流歌劇場を席巻しているネイディーン・シエラは、潤いのある美声をどう響かせるかに期待が高まる。

《トゥーランドット》リュー役のマサバネ・セシリア・ラングワナシャ
「今回、日本に伺うのは初めてとなります。滞在を今から楽しみにしております。《トゥーランドット》リュー役は、プロの歌手として初めて正式に歌った役で私にとって特別な役です。美しい3つのアリアがあり、皆さんにとっても印象に残るそんな素敵な役柄です。オペラそのものも壮大で途方もないほど美しい作品です、待望の最高のステージをぜひ皆さまに楽しんでいただけたらと思います。」と役柄についての想いを語った。


《トゥーランドット》リュー役のマサバネ・セシリア・ラングワナシャ

《トゥーランドット》カラフ役のブライアン・ジェイド
「ROHと共にこうやって参加でき、歌わせていただき心より御礼申し上げます。大好きな国の一つである日本に来ることができ、これ以上に嬉しいことはありません。日本ツアーのオファーが来たときに迷うことなくすぐにお受けしました。ですから、ロンドンでの最後のリハーサル後、少しでも早く日本に着いてリハーサルに全部参加しようと飛行機に飛び乗りました。カラフ役はテノールにとって最も偉大な役の一つで、〈誰も寝てはならぬ〉は皆さんご存じの有名なアリアです。この役は舞台に立つと一つも息が抜けない役なのです。最初から最後まで全力疾走でいかないと行けない役なのです。カラフは、とても強い自信をもち、自分の夢を叶え、勝利を治めることを疑うことがない役です。」と日本への想いと役柄について熱心に解説した。


《トゥーランドット》カラフ役のブライアン・ジェイド

トゥーランドット役で来日予定のソンドラ・ラドヴァノフスキーが副鼻腔炎と中耳炎のため降板することが発表となった。代役としてマイダ・フンデリングが登壇する。

抜群のチームワークとお互いの敬意と信頼が感じられる、始終なごやかな雰囲気の中で行われた来日記者会見となった。パッパーノ&ロイヤル・オペラの名演は多くは映像作品でも触れることができるが、生の舞台に接する機会は今回が最後。音楽監督として日本で集大成を迎える名匠パッパーノと英国ロイヤル・オペラの威光が結実する名舞台は、まもなく幕をあける。


左からハヴィエル・カマレナ、ネイディーン・シエラ、アントニオ・パッパーノ、マサバネ・セシリア・ラングワナシャ、オリヴァー・ミアーズ、ブライアン・ジェイド

■英国ロイヤル・オペラ 2024年日本公演
ジュゼッぺ・ヴェルディ『リゴレット』

会場・日程:
<神奈川県民ホール>
2024年6月22日(土)15:00
※6/22(土)終演後にパッパーノ監督によるアフタートークあり(30分程度予定)
2024年6月25日(火)13:00 ※横浜平日マチネ特別料金
※6/25(火)開演前にオーケストラのメンバーによるミニイベントを開催予定

<NHK ホール>
2024年6月28日(金)18:30
2024年6月30日(日)15:00
通常料金:
S¥72,000/A¥62,000/B¥48,000/C¥38,000/D¥32,000/E¥22,000/サポーター席(寄付金付きのS席としてご用意したお座席)¥122,000/U29シート¥10,000/U39シート¥18,000

横浜平日マチネ特別料金: 6/25(火)13:00
S¥49,000/A¥42,000/B¥35,000/C¥30,000/D¥25,000/E¥20,000/サポーター席(寄付金付きのS席としてご用意したお座席)¥99,000/U29シート¥8,000/U39シート¥16,000

出演者:
マントヴァ公爵/ハヴィエル・カマレナ
リゴレット/エティエンヌ・デュピュイ
ジルダ/ネイディーン・シエラ

指揮:アントニオ・パッパーノ
ロイヤル・オペラハウス管弦楽団
ロイヤル・オペラ合唱団

英国ロイヤル・オペラ 2024年日本公演
ジャコモ・プッチーニ『トゥーランドット』

会場:東京文化会館(上野)

日程:
2024年6月23日(日)15:00
2024年6月26日(水)18:30
2024年6月29日(土)15:00
2024年7月2日(火)15:00

上演時間:約3時間(休憩2回含む)

予定されている出演者:
トゥーランドット姫/マイダ・フンデリング
カラフ/ブライアン・ジェイド
リュー/マサバネ・セシリア・ラングワナシャ

指揮:アントニオ・パッパーノ
ロイヤル・オペラハウス管弦楽団
ロイヤル・オペラ合唱団

通常料金:
S¥72,000/A¥62,000/B¥48,000/C¥38,000/D¥32,000/E¥22,000/サポーター席(寄付金付きのS席としてご用意したお座席)¥122,000/U29シート¥10,000/U39シート¥18,000

問合せ:NBSセンター(月-金 10:00~16:00 土日祝・休)03-3791-8888
公式サイト:https://www.nbs.or.jp/stages/2024/roh/


【プロモーション映像】英国ロイヤル・オペラ2024年日本公演

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