ZIPANG OPERA、 グループ初の単独ツアー公演開催!全23曲で完全燃焼!

ZIPANG OPERAが1stツアー『ZIPANG OPERA 1st Tour 2024 ~Rock Out~』を開催した。ツアーは初の海外公演となった台湾公演を含めた全13公演。

構成・演出を舞台『「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」Rule the Stage』などの演出でも知られる植木 豪が手がけた本ツアーは、ZIPANG OPERAメンバーのスキルフルなパフォーマンスはもちろん、プロジェクションマッピングも駆使され、見応えあるショーとして繰り広げられた。一方で国内外すべての会場はZepp。ステージと客席の近さも作用し、ライブは終始大きく盛り上がった。ここでは6月20日の19:00公演の模様をレポートする。

幻想的な景色が映し出される中、福澤 侑、心之介、spi、佐藤流司が、踊ったり堂々と歩いたりと、個性豊かにゆっくりとステージに登場する。佐藤が「東京! 盛り上がる準備できてますか? 最後まで駆け抜けていきましょう」と煽ると、4人は4月にリリースされた最新EPの表題曲「Rock Out」でライブの幕を開ける。

タイトル通りのアグレシッブなロックサウンドに乗せて、パワフルな歌声と迫力あるラップで〈音が導く方へ 何もかも忘れ楽しめ〉〈この声が道標 魂揺さぶる叫び〉といったライブの幕開けにふさわしい頼もしいリリックで始まりの狼煙を上げた。

さらに怪しげで華やかなサウンドに乗せ解放を歌う「開華」はライブ用のリミックスバージョン、ドラマチックに情景を切り取った「DRAMA」とさっそく様々な表情を見せつけていく。ツアーに向けて5月末にリリースされた「Bangin’」ではメンバーもANCHOR(ZIPANG OPERAのファンネーム)もタオルを回して盛り上がった。

舞台作品への演出や振り付けなども行う多才な4人が集まるZIPANG OPERA。最新EP『Rock Out』にもメンバーが作詞やプロデュースを手がけるユニット曲やソロ曲が多数並んでいる。序盤にはこのソロ曲ユニット曲が次々と披露された。佐藤と心之介のユニット曲「宵々」では威勢の良い二人の掛け合いとお祭りサウンドで熱狂させ、かと思えば心之介のソロ曲「刹那」では恋愛に振り回される主人公の切ない感情を息の多い歌声でエモーショナルに表現。

福澤のソロ曲「Devilish」では福澤が艶やかに舞い、佐藤のソロ曲「シンギュラリティサーカス」ではジャジーなサウンドに乗せてダイナミックにパフォーマンス。spiのソロ曲「Story of My Life」ではダンサーもステージを去り、ステージに一人立ったspiが圧倒的な歌声で壮大に歌い上げた。歌い終えて後ろを向いたspiが指を高く掲げると、ステージの反対側から同じく指を高く掲げた福澤が。2人でユニット曲「Shape of Love」を疾走感あふれるビートに乗せながら色気あふれる歌声で届ける。そして4人がステージに揃うと、幻想的なミディアムチューン「Last Quarter」をしっとりと聴かせる。歌い終えたあと思わずメンバーは口々に「エモっ!」「いい歌だよね」とその余韻に浸っていた。

そんな余韻をぶった切るように小学生時代のエピソードを話し始める、そんなラフさもまたZIPANG OPERAの魅力。舞台や映像作品で様々な役を演じる彼らが、飾らずにありのままの姿で舞台に立つのがZIPANG OPERAなのだ。

スリリングなヒップホップチューンにリミックスされた「Cherry Blossom」でライブは再開。1番は佐藤と福澤が、2番ではspiと心之介が、さながらラップバトルのように勇ましくラップを繰り出した。和を感じさせる映像が楽曲の世界観を増長させた「BLAZY BLAZE」、メンバーもアンカー型ペンライトを振り盛り上げた「Higher Ground」と、次々と楽曲が畳み掛られる。

しかし、心之介とspiのソロ曲「天照」で場内の雰囲気は一転。2人は心之介が手がけた切なくも強い思いを込めた歌詞を丁寧に歌い紡ぐ。さらにオレンジ色に場内が照らされると、4人でミディアムチューン「Get Over」へ。時の儚さと今の大事さを歌った同曲を、4人は客席をゆっくりと見渡しながら、ANCHORとの時間を愛おしむように歌唱。ダンサー紹介を挟んで始まった佐藤と福澤が息もつかせぬ早口なラップを聞かせるユニット曲「ツギハギ」では、後半のブレイクで福澤が「足りねえってよ」「もうちょっとパワーちょうだい」と焚きつけ、さらに高みへと誘った。本編ラストは「KAMINARI FLAVOR」。ソリッドなサウンドでANCHORを痺れさせてステージを後にした。

ツアーTシャツ姿に着替えた4人は「STEER THE SHIP」でアンコールを始める。東京公演は2DAYS、さらに1日に2公演ずつ。この公演が東京4公演目だという彼らは日替わり曲に「鳴音」をチョイスし、〈僕や君の夢をそっと照らしますように〉というメッセージを優しく贈った。歌い終えたあとには、佐藤がふと「好きな曲なんですか?」と客席へ問いかけ。様々な声が上がる客席へ耳をすませ、Zeppというライブハウスの距離感を楽しむ一幕もあった。現時点ではリリース予定がないという新曲「Keep Your Eyes On Me 」でセクシーで挑発的なパフォーマンスを見せたのち、最後に「Day by Day」。

曲中にANCHORを座らせてから一斉にジャンプさせたり、場内に盛大なシンガロングが広がったりと、ZIPANG OPERAとANCHORの絆を感じさせるラストシーンとなった。
「ありがとうございました、とても楽しかったです」(心之介)、「一人残らず顔を覚えたので(次のツアー会場)札幌で待ってます」(spi)、「流司って聞かせてもらっていいですか?(上がった「流司」の声に対して)うるせえ!」(佐藤)、「楽しかったです、ありがとうございました」(福澤)と最後まで個性の表れる言葉を残してライブを締めくくった。豊かな表現力はもちろん、確かな音楽知識と技術、ステージへの愛情を武器に様々な世界を見せてくれたZIPANG OPERAの旅は、まだまだ続く。

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